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13話 昇格試験
レントはいよいよ昇格試験を受けることになった。 試験には筆記試験と実技試験がある。
筆記試験では冒険者としての最低限の知識が問われる。
筆記試験に合格した者のみが後日実技試験を受けることができる。
実技試験の内容は毎回違うということだが、今回の場合は新月の迷宮の指定された場所に到着するという内容だった。 ギルドから受験者全員にその場所の印が付いた地図がプレゼントされた。
そして、指定された場所には数人のパーティーを組んで行くように指示された。 パーティーのメンバーはギルドが抽選で決めた。
レントが同行するメンバーは、奇遇にも先日新月の迷宮で見かけたあの若い男女だった。 少年の名はライズ、少女の名はローラだった。
3人は顔を合わせると会釈をし、簡単に自己紹介を始めた。 ライズはレントと同じく剣士で、ローラは魔術師だが治療術も使えるということだ。
会場にいた全員の自己紹介が終わるとギルドから簡単な試験のルール説明があった。 ルールは2つ。
①指定の場所へは他の受験者との競争となり、早く着いたパーティーの勝利
②特に制限はないので、何をしても構わない
それを聞いた受験者たちはざわついていた。 何をしても構わないというのが気になる。
3人は馬車に乗り、新月の迷宮に向かっていた。 ライズとローラはレントが仮面で顔を隠していたので怪しんでいたが、パーティーを組んだ以上は相手を信じるしかないと自分たちに言い聞かせていた。
新月の迷宮の入り口は受験者たちでごった返ししていた。 出店もたくさんあり、受験者たちは迷宮で必要になりそうな物をさがしていた。
これはイメージです⇧
先を急ごうとするライズとローラだったが、レントは地図を買った方がいいと2人にアドバイスした。
ライズは、「地図はさっきもらったろ」と反論したが、地図の裏の発行年を見ると、それは15年も前に発行された物だった。
「なんでこんなものを!」とライズが驚くと、レントは「ギルドは結構性格が悪い」と言った。
レントにはアカシアの地図があるので必要ないのだが、若い彼らの経験のためにレントも地図を買うことにした。
しかし、信頼できる地図を手に入れるには信用できる者から買う必要がある。 レントは2人に信用できる地図屋を教えた。
2人は先ほどまでレントのことを怪しんでいたが、だいぶレントが頼れる人だと思うようになったようだ。
地図を買ったのでいよいよ新月の迷宮に入ることにした。 3人は次のような作戦で戦うことにした。
ライズが前衛を務め、ローラは後衛となり全体魔法を詠唱する。 そしてレントは中衛に入り、魔法を唱えるローラが攻撃されないように守る。
迷宮をしばらく進むとたくさんのスケルトンが出てきた。 例の作戦を実行しようとしたが、何十体ものスケルトンが出てきたので3人はいったん退くことにした。
こんなに多くの魔物が出てきたのは「香」の影響だとレントは2人に説明した。 ギルドが受験者を試したり、「警戒を常に怠るな」という事を教えるために香を置いたのだろう。
レントはさらに、このような罠で同業者の命を狙う冒険者もいることも教えた。 それを聞いた2人はちょっとショックを受けていたようだった。
話し終わるとレントはおかしな気配を感じて聞き耳を立てた。
レントの感覚によれば、人間がレント達を狙っているとのことだ。
続きは14話のあらすじ・ネタバレで